依存脳 篠浦伸禎

読書感想

本の概要

著名な脳外科医である著者が、自らのアルコール中毒になりかけた

体験から、依存症の仕組みと、その克服方法を

脳科学の観点から考察し、解決策を出すことを目的としています。

現代の日本及び西欧諸国の考え方は

「左脳」な考え方=扁桃体・報酬系を刺激する

方向に向かっていることに警鐘を発し、

もっと右脳的な考え方=日本精神的な考え方をしよう。

という事をすすめる本でした。

こんな人におすすめ

  • 依存症になる仕組みが知りたい人
  • 現在何かに依存気味で、どうにかしたい人
  • 周りに依存症の人が居て困っている人
  • 自分の人生をより良くしたい人

依存症というと、怖いなと感じる人が多いかと思います。

アルコール依存・薬物依存・ギャンブル依存・買い物依存

愛情依存・スマホ依存・セックス依存などなど。

様々な依存症があります。

自分でも知らず知らずのうちに、依存症になって

しまっていることもあるかと思います。

この本の内容をインプットすることで

依存症から脱却し、依存症にならないような

生き方について学べるかと思います。

気づきについて

なぜ依存症になるのか

依存症の原因は「ストレス」です。

現在は弱肉強食の世界と言われており、この本では

左脳の世界と言われています。

弱肉強食の世界では、どうしても弱いものが

出てきてしまう。

弱いものは、嫌なことをさせられたりして

ストレスを受ける。

負けた自分に対する「怒り・憎しみ」のような

感情が自分に向かう。その感情を癒やすために

アルコールやギャンブルなどの、報酬系を刺激する

ものを欲するようになり、くせになってしまう。

勿論報酬系のものは、逓減性があるため、

もっと、もっととエスカレートしてしまう。

結果、依存症になってしまうのである。

私にも、嫌な仕事をやったあとは、甘いものが食べたくなったり

お酒が飲みたくなったりします。

やってらんねーよ!ってやつですよね。

やりたくないことをやらされたという気持ち。

そして、「今だけ、金だけ、自分だけ」

そういう気持ちを持っていると、依存症になりやすく

なってしまうのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

どうすれば依存症を克服できるのか

依存症を克服するには?

結論としては

「自分だけのためという、西欧思想に毒されず、

日本的な利他精神をもって人生を過ごす。」

要するに、人に貢献することで、依存を断ち切る。

勝ち負けではなく、人にどれだけ貢献できたかという

ことだけを考える。

自分の役割を果たし、自分のことは考えず

周りに貢献することだと

著者は述べています。

日本精神とは

著者の言う「日本精神」「利他精神」とは

何なのでしょうか?

日本精神とは

「見返りを期待せず、人助けや人の役に立つことを

進んでやること。そして喜んでもらえたらそれ自体を

自分の喜びにする。人や公に尽くし、絶えず自己鍛錬を

怠らず、自省しながら技術や人格を高めていく人生を過ごす」

・・・ものすごく立派ですよね。

ちょっとなれる気がしないです💦

その他の要素として

  • 志や目標を持つ
  • 仕事は社会を良くするためにやる
  • 自分が生まれてきた役割は何であるかを知る
  • 自分よりまず人のことを思いやる心をもつ
  • 求め合うより与え合うという生き方
  • 自分のためでなく、社会のために人生を全うする心

昔の日本人は、本当にすごかったようです。

そういう逸話もこの書籍では挙げてくれています。

心に残った一節

明治時代に英語教師として日本を訪れた

アリス・ベーコンは、彼女の主著「明治日本の女たち」

において、以下のように述べています。

外国人にとって家庭使用人の地位は、日本に到着したその日から、

はじめのうちは大変な当惑の源となる。使える家族に対する彼らの関係には

一種の自由がある。多くの場合、命令に対する直接の不服従の形を取るように

思われる~~

家庭内のあらゆる使用人は、自分の目に正しいと映ることを、

自分が最善と思うやり方で

行う。

命令に単に盲従するのは、日本の召使いにとって美徳だとはみなされない。

もし主人の命令に納得がいかないならば、その命令は実行されない。

使用人は自分のすることに責任を持とうとしており、単に手だけではなく

意志と知力によって彼女に支えようとしているのだと悟った時、彼女はやがて

彼女自身と彼女の利害を保護し思慮深く見守ろうとする彼らに、自分を

委ねようという気になる。彼らは自分で物事を判断する権利を放棄して

いないのだ

当時の英国の召使いのように、単に指示に従うのではなく、

自分の意志をもって主人に貢献する右脳的な考え方と、

その役割を合理的に探求する左脳的な考え方がバランスよく

存在し、身分制度等に縛られること無く、自分の課せられた役割を

しっかりと考え、主体性を持って相手に貢献することを

していたのだと思います。

また、こんな話もあります。

ヨーロッパの国は「人為の国」であると言ってもいい。

つまり人がなにかしなければ、景観も何もかも一切変わらない。

人が壊さない限り壊れない。地震も起きなければ大洪水が押し流すことも

ほとんどないからである。

日本では、人が何もしなくても、自身によって全て崩れ落ちてしまう。

つまり、西欧では「人」が神の役割をしている。万物を支配する神は

人。神が自分に似せて人を作り、万物を支配するためにこの世に送ったという

旧約聖書の理解に繋がっている。

日本ではそういう感覚はない。我が国では洪水もあれば、人や牛や馬も、

草や木とともに流され、自身では他のすべての存在とともに割れ目に落ちたり

津波にあったりする。

「人間だけが特別な存在」であると主張することなど、考えられないのである。

何かわかるような気がしますよね。

土地とともにある。空気とともにある。

だからこそ日本では、「八百万の神々」という言葉がうまれたのだと

思います。

自分だけが特別な存在じゃない。ということに繋がりますね。

その世界の中で、各々が役割を果たす。国全体をひとつとして

皆が周りに貢献しあい、協力しないと生きていけない世界だからこそ

周りに感謝、貢献の気持ちが生まれたのかと思います。

その他、横浜大火後の日本人を見て、日本人のストレスへの強さに

驚嘆した医学者ベルツの話もありました。

昔の日本人の感覚とは

当時の日本人は、今に比べてストレスに強かった。

その理由として、家族や仲間との絆が強いので、ストレスを感じること無く

過ごすことができたのだろうと思います。

左脳主体の考え方は孤独で、自分だけよければいいという考え方です。

そうではなく、家族的なコミュニティに属することでストレスに強くなる

周りとの絆を感じれば感じるほど、なにかに依存する必要などなくなるのです。

実践していくこと

  • コミュニティや周囲に貢献することで右脳的な考え方をする
  • 左脳的な考え方も捨てず、合理的に物事をすすめるようにする。
  • 見返りを期待せず、人助けや人の役に立つことをする。

現代の社会で長らく生きてきて、私も勿論左脳的な考え方に

毒されてきたこともありますが、今まで読んできた本でも

「周囲に貢献すること」「与えること」の重要性

とても感じられます。

共通する部分は、かつての日本人の。私の血にも

流れている。むしろ、世界で一番その精神のDNAが

ある民族なのだと思えました。

温故知新。思考の面では祖先を見習ったほうがいいことは

自明の理なのだなと感じました!

まとめ

今回は、篠浦伸禎さんの「依存脳」について

ご紹介しました。

依存の起こるメカニズムから、その究極的な原因にまで踏み込み、

具体的に依存症を克服するにはどういう考え方をすればいいのかを

多数のエピソードを交えて分かりやすく教えてくれた本でした。

依存症に悩んでいる人は、すぐさま「貢献」などとは

思えないかもしれません。

ですが、小さなことでもいいので、ちょっとなにかしてみる。

道で落ちているゴミを拾ってみる、など。

行動するだけで、気持ちが前向きになるかもしれません。

是非気になる方は読んでみて下さいね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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