Think clearly ロルフ・ドペリ

読書感想

こんにちは!かずまです。

すっかり梅雨に入ってしまいましたね。

今回は、ジメジメした気候に負けず
最近読了した本である、
『Think clearly』について、解説及び
自分がなるほどと思ったことや、
実践していきたいことなどを
アウトプットしていきたいと思います。

結構なページ数がある翻訳書ですが、
実業家でもあり、作家でもある著者の
人生経験や思考について、参考になることが
多い良書でしたので、ご紹介致します。

この本の概要

この本は、人生を幸せに生きていく上で
役に立つであろう

「思考の道具箱」

を提供してくれる本です。

思考の道具箱って何?
と思うでしょうが、
簡単に言うと、

「幸せな人生を送るために
参考になるであろう考え方」

ということです。
最新の心理学や脳科学、そして
ストア哲学などの考え方などから

人間が幸せになるためには、
物事についてどう考えていけばいいか。

というものを、52個挙げています。

思考の道具箱52個

  1. 考えるより、行動しよう
  2. 何でも柔軟に修正しよう
  3. 大事な決断をするときは
    十分な選択肢を検討しよう。
  4. 支払いを先にしよう。
  5. 簡単に頼み事に応じるのはやめよう
  6. 戦略的に「頑固」になろう。
  7. 好ましくない現実こそ受け入れよう
  8. 必要なテクノロジー以外持たない。
  9. 幸せを台無しにするような要因を
    取り除こう
  10. 謙虚さを心がけよう
  11. 自分の感情に従うのはやめよう
  12. 本音を出しすぎないようにしよう
  13. ものごとを全体的に捉えよう
  14. 買い物は控えめにしよう
  15. 貯蓄をしよう
  16. 自分の向き不向きの境目を
    はっきりさせよう
  17. 静かな生活を大事にしよう
  18. 天職を追い求めるのはやめよう
  19. SNSの評価から離れよう
  20. 自分と波長の合う相手を選ぼう
  21. 目標を立てよう。
  22. 思い出づくりよりも、今を大切にしよう
  23. 「現在」を楽しもう
  24. 本当の自分を知ろう
  25. 死よりも、人生について考えよう
  26. 楽しさとやりがいの両方を目指そう
  27. 自分のポリシーを貫こう
  28. 自分を守ろう
  29. そそられるオファーが来たときの
    判断を謝らない
  30. 不要な心配事を避けよう
  31. 請求に意見を述べるのはやめよう
  32. 「精神的な砦」を持とう
  33. 嫉妬を上手にコントロールしよう
  34. 解決よりも、予防をしよう
  35. 世界で起きている出来事に
    責任を感じるのはやめよう
  36. 注意の向け方を考えよう
  37. 読書の仕方を変えてみよう
  38. 自分の頭で考えよう
  39. 「心の引き算」をしよう
  40. 相手の立場になってみよう
  41. 自己憐憫に浸るのはやめよう
  42. 世界の不公正さを受け入れよう
  43. 形だけを模倣するのはやめよう
  44. 専門分野を持とう
  45. 軍拡競争に気をつけよう
  46. 組織に属さない人たちと交流を持とう
  47. 期待を管理しよう
  48. 本当に価値のあるものを見極めよう
  49. 自分を重要視しすぎないようにしよう
  50. 世界を変えるという幻想を捨てよう
  51. 自分の人生に集中しよう
  52. 内なる成功を目指そう

かなりの量の「思考の道具箱」ですよね。

全てを抑えられたらいいのですが、
それはかなり無理があると思います。

こういう「ライフハック系」の本では
沢山あるうちで、

「これは自分にとって非常に大事なこと」

「これができるようになったら人生が変わりそう」

というような視点で3~5項目位を選んで
実践しやすいものから実践していくという
アプローチが正しいのではないかと思います。

では、私が「思考の道具箱」の中の
52個の道具の中から選んだ5項目について
解説していきます。

何が響いたか

私が52個の「思考の道具」から
選んだのは、以下の5つの項目でした。

  1. 思考の飽和点に気づくこと
  2. 何をしないかを明確にすること
  3. 能力の輪の中にとどまること
  4. 天職を探さないこと
  5. 解決よりも、予防をしよう。

思考の飽和点に気づくこと

何か行動を起こす前に、
考えて考えて、準備して計画をして。

ということは、非常に大切なことです。

ですが、この書籍では

思考には飽和点が存在する。

と語っています。

思考の飽和点とは、
ある程度考えたら、それ以上考えても
先に進まないという点です。

しかも、その飽和点には、
驚くほど早く到達してしまう。
とも書かれています。

私も、考えて計画を入念にする方なのですが、
この「思考の飽和点」に達しているのに、
まだまだ計画したり、考えてしまったり
することがありがちだなと感じました。

計画をするのは大事だが、行動しないと
分からないことの方が多いです。
また、行動して、柔軟に計画を修正して
いくことが一番大切。とも本書には記載が
あります。

どんな些細な修正も、「計画が間違っていたことの証拠」のように思えるからだ。
計画は失敗だったと落ち込み、自分は無能な人間だと感じてしまう。

実際には、物事が全て計画通りに運ぶことなど、まずない。
アイゼンハワー大統領はこんなことを言っている。

「計画そのものに意味はない。計画し続けることに意味があるのだ」

という点からも分かる通り、

「思考の飽和点に達したら、行動に移す。」

「計画に力を注ぎこみすぎない」

「場合に応じて調整していく」

ということが、何かを始めたり、
動き出すためには必要なことだと
感じました。

何をしないかを明確にする

良い人生とは何か?
幸福とはなにか?

と考えた時に、様々な著書では
「人間関係を充実させること」
「健康であること」

など、色々な要素が上がってくるとは
思うのですが、これって正直人それぞれで
考え方や感じ方が違うと思います。

ですが、
「幸せを大きく損なうもの」
については、結構具体的に挙げられると
思いませんか?

慢性的なストレスや、
騒音、悪い空気、孤独、愚痴、
貧困、借金、嫌な仕事、失業
などなど。

要するに何が大切かというと

「幸せを得るために何かをするのではなく、
不幸になることを避ける」

これを意識するだけで、自然と幸福に
なっていくということです。

これを本書では
「ダウンサイドを避ける」
と表現しています。

例えば、

やりたいことを探すのではなく、
やりたくないことを挙げて、
そうしなくていい職に就く。

やるべきことに注意をむけるよりも、
やってはいけないことを絶対にやらない
ようにする。などなど。

物事をマイナスに持っていくことに
注意を向けて、それをやらないように
することで、物事は勝手に上向いていく。

これを読んで、思わず
「なるほど」と思ってしまいました。

能力の輪の中にとどまる

なにか問題が起きた時、素晴らしいプログラマーは平均的なプログラマーが必要とする1000分の1の時間でその問題を処理してしまう。
同じことは弁護士にも、外科医にも、デザイナーにも、研究者にも、販売員にもあてはまる。
「能力の輪」の内側と外側の能力差には、1000倍もの開きがあるのだ。

能力の輪というのは、
要するに「才能」とか、「才覚」の
ようなものだと思います。

だから、自分の能力の輪を自覚して、
それに合った専門性を積み重ねれることが
良い人生をつくる前提条件。と本書では
述べています。

自分の「できない部分」に目を向けるのではなく、
「素晴らしい部分」に目を向けてみる。

それがすなわち「能力の輪」にとどまることだと
思います。

では、どうすればこの「能力の輪」を
作ることができるのか?

この本では、それは
「時間」と「執着」が必要と言っています。

何千時間も費やせるほど執着できる何か。

そこまでできるということは、それは自分の
才能であり、「能力の輪」を見つけていると
いうことです。

次項の「天職を探さない」と内容が
少し被るのですが、
自分の才能と嗜好をしっかりと把握し、
その輪の外に出ないことが、良い人生を
送るためには大事な事ということです。

天職を探さない

天職という概念は、キリスト教の遺物にすぎない。

自分の天職が知りたい。

自分にとって最高の仕事とはなんだろうか。

大人なら誰しも、このような問いを
思い浮かべたことがあると思います。

実は「天職」というのは、元はキリスト教が
語源なのです。

「天の声」を聞いたという人や、夢の中で
お告げを聞いた人が、全財産を分け与え、
修道院で隠者として暮らすようになった。

「天の声を聞いてそれに従い、務めること」

それこそが「天職」というものだそうです。

この話を聞いて「大分いい加減だなそれ」
と、失礼ながら思ってしまいました。

なので、「天職」はまぁほとんど見つからないし、
しかも天職を見つければ幸せになれるかどうかも
わかりません。

なのに、執念深く天職を追い求めることは、
ただ執念深い人間になるだけです。

実際、狩猟採集社会には「天職」など
存在しなかったし、言ってしまえば、
つい最近まで、一般的には子は親の仕事を
継ぐのが普通のことでした。

「天職」は、「あこがれの職業」の同義語だ。夢見るような「天職」は存在しない。あるのは才能と生まれついての嗜好だけ。

と、この本の著者は結論付けています。

私自身も、この意見には同意できます。

自分の得意なことや、嗜好にあった職業に
つくことで、それが自分の「天職」になる。
そう思います。

解決よりも、予防をしよう。

人生には、3つの坂がある。

それは、上り坂、下り坂、

そして、「まさか」。

というのは、結婚式での余興などで
お決まりの話題ですが、
その「まさか」を真剣に考えておくこと。
そして、「まさか」が起きないように
予防しておくことが大切だと、
本書では述べています。

例えば、あなたの結婚生活が破綻したり、あなたが突然破産したり、心筋梗塞を患ったりしたときのことを想像する。
そこから時間を遡って、その大きな問題の引き金になったのは何だったのか「原因を遡って分析する」のだ。
その問題が現実にならないよう、「予測される原因を取り除いておく」ことも忘れないようにしよう。

自分に不幸が起こると仮定して、
そうならないように予防する方法を
考えておく。

この方法は一見つまらなく見えるかも
しれません。
ですが、なにかが起こって、それについて
頑張って対処して苦労して乗り越えるよりも、
それ以前から工夫して、厄介な問題を
避けることのほうが大事。
ということです。

問題を先取りして、その厄介な問題が
起こす原因を取り除いておくことが、
良い人生を送るためには必要だと
私も感じました。

実践すること

この書籍では、実践したいことが
沢山ありすぎて、正直どうしようかと
迷ってしまいます。

とりあえず、今自分に必要だと思われることを
3つ挙げてみます。

目標を立てよう

人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標を達成できたかどうかで決まるのである。

こんなことをこの書籍では述べている通り、
目標を立てること。
それも

「実現可能な目標を立てること」

このことで、人生でなにかに迷った際、
目標に基づいた選択ができる。

自分が人生でどこに向かっているのか?

それを改めて決めてみよう。と思います。

能力の輪の中にとどまろう

何かチャンスがあったり、

面白そうなことがあったら

チャレンジすることは良いこと。

でも、自分の才能を把握して、
そこから出ないようにすることで、
無駄な時間を省くことができます。

例えば、話すことが得意ではないのに、
Youtubeで動画配信をしたり、
じっと家に居るのが耐えられないのに、
動画配信作業者になろうとしたり。

もちろん挑戦は大切ですが、
自分にとっての才能や嗜好を
無視した行動に対して、人は称賛を
与えてくれないでしょう。

改めて「自分にとっての能力の輪」
考え直す良いきっかけになりました。

支払いを先にしよう

アメリカの心理学者でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが
「ピークエンドの法則」と読んでいる法則がある。
私達が旅行に出かけた時の記憶に残るのは、その旅の「ピーク」と「終わり」だけで、残りは忘れ去られてしまう。という法則だ。

旅行にしても、旅行費用は先に支払って
しまったほうが、存分に楽しめるという
感覚は非常に良くわかります。

先に支払うことで、
ワクワク感だけが残って、
旅行までの時間も楽しみになれますよね。

また、この書籍で紹介していたことで
「寄付用口座」をあらかじめ作っておく
ということも、なるほどな。と思いました。

例えば、軽微な交通違反をしてしまったり、
財布を落としてしまった場合などの
不慮の事故での出費でも、あらかじめ
「寄付用口座」に貯めていたお金から
補填することで、あまり痛手には感じないと
いう、心の錯覚を利用する方法です。

これは、誰かへのプレゼントにも使えますし、
先に支払っておくことで、出費の痛手も
かなり感じられなくなりますよね。

まとめと感想

今回は、「Think clearly」という本について
ご紹介とともに、自分が実践していくことを
まとめてみました。

翻訳本であり、400ページ以上もある、
かなり内容の濃い本です。
読破するのもなかなか大変でした。

ですが、実業家であり作家の著者が
まとめた心理学、脳科学等の知見を
元にした「思考の道具箱」

この52個の道具の中から、
たとえ1つでも実践して
身に付けられれば、この本から
得られるリターンとしては非常に大きいと
思います。

たまに読み返して、頭に刻み込みたい。

そんなことを思えるオススメの本です。

興味のある方は是非。

後悔しない1冊です。

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