こんにちわ。かずまです。
今回は、実存的精神療法や
集団療法にてセラピーを行っている
精神療法の大家・ヤーロム教授による
心理学講義の本について、解説していきます。
ざっくりとどんな本なの?
実存的精神療法家である、ヤーロム教授が、
若い精神療法家に向けて、自身の45年の経歴から
得られた経験からの知識を記した本です。
一般で売られている本ですが、かなり難解です。
全てを読むのではなく、必要な部分を読んでいけば
いいのではないかと思います。
本書では、そのスキルが85個、挙げられています。
ヤーロム氏の語る、実存的精神療法とは
なんなのでしょうか?
実存的精神療法とは?
なんやら難しそうな名前の実存的精神両方について
一体何なのそれ?という感じですが・・・
いまいち私も掴みきれていないのが状況ですが、
人間の究極の関心事である
「死・自由・孤独・生きる意味」
について、患者と向き合い、深掘りしていく形の
カウンセリング。という印象を受けました。
人生とはなにか。ということについても
通じていることかと思います。
クライアントは、大きな枠組みでは
人生の問題に悩んでいます。
そこから大元の面までに、掘り下げていく。
それにより、人間が生きる意味を見い出せるようになる。
そういう印象を自身は持ちました。
では、気づいた点を上げていきます。
気付き
死と向き合うことについて
人間は、死と向き合うことで、よく生きられるようになる。
まるで、癌が神経症を治していくように。
教授が担当しているグリーフケアの末期癌患者が述べていた
言葉です。
一般人や駆け出しのセラピストは、死について相談されると、
逃げることが多いけれど、実存的精神療法は、死に立ち向かう。
それも、クライアントと一緒に立ち向かう。
深く掘り下げていくことで、生が際立ってくる。
よく生きることは、よく死ぬこと。
また、よく死ぬためには、よく生きなければならない。
そんなことを感じました。
それと同時に、「自分はよく生きられているのだろうか?」
と、思い返すきっかけになりました。
精神療法家のグループを組む利点
カウンセラー同士でネットワークを組み、
2週に一回、集まって話題を共有する。
それが、カウンセラーの心を安定させることにもなり、
また、少しベテランのカウンセラーが居れば、
それはお互い教え合うことにもつながる。とても意味のある
ことだと述べていました。
わたしも、まだまだひよっこではありますが
仲間を集めて、高めあっていきたいと思っています。
そんな中、ヤーロムさんの時代にも、集まりを設けて
学び合う勉強会があったのだなと思い、参加したいと思いました。
同じ環境で働くもの同士でないと、分かち合えない話はありますよね。
職業とセルフケアについて
カウンセラーは奉仕の仕事であるので、
高給を目指すなら、他の職種をした方がいい。と
本書では述べています。
やはり1時間いくらの仕事だと、なかなか
収入は上がらないと思います。
カウンセリングとカウンセリングの間に
15分の隙間を設けるべしということも
述べています。
それにより、記録ができ、また、次のCLの
予習もできるようになるからと言っていました。
患者との間に性的関係を持ちやすいとも
述べており、なかなか衝撃的でした。
理由としては、カウンセリングの中で全てを
さらけ出した患者が、カウンセラーと一体感を感じる。
もしくは、自己肯定感がないクライアントが多いので
やってもらった事を、自身の体で返したい気持ちになる。
どんな手段でもいいから、クライアントと性的関係に
なるのだけはやめておくように、強く本書では述べていました。
確かに、ファンのような心情になってしまったり、
深い理解をしてもらい、全てをさらけ出すと、
わかってもらえた嬉しさもあり、心の接触=体の接触等に
繋がってくるのは、わかる気がします。
実践していくこと
- カウンセラーとしての倫理観を育てる
- 生・自由・孤独・生きる意味について深掘りする
- カウンセラーの共同体、話し合えるコミュニティを作る
カウンセラーとしての倫理観についてですが、
現在自身が受けている講座で習得中です。
また、思ったこととして、
同じ職業を持つ人同士のコミュニティに参加して
悩みを共有したいと思いました。
収入等については、やり方次第だとは思いますが
私は正直そこまで高収入を望みません。
やりたくないことをするよりも、
たとえ収入自体が高く望めなくても、
自身が好きなことで、人に感謝される方が
良いと思うからです。
まとめ
実存的精神療法。
生きること、死ぬこと、人生の意味等
人間の真理について深掘りすることで、
悩んでいるクライアントの精神を癒やすことにつながる。
また、過去や未来ではなく、
クライアントとカウンセラーとの間の
「いま、ここ」の関係において
話を聞いていく姿勢。
まだわからない部分も多いですが、
事あるごとに読み返してみたい本でした。
実存的精神療法については、
夜と霧で有名な「V・E・フランクル」の
本も参考にしつつ、詰めていきたいと思います。
哲学的な要素も多い実存的精神療法。
クライアントとの深い関係を手助けする
参考になる本でした。
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