こんにちわ!カズマです。
今回は、東北大学加齢医学研究所所長の
川島隆太さんがお書きになられた
『オンライン脳』についてアウトプットしていきたいと思います。
著者・本の概要
著者の川島隆太先生は、東北大学~東北大学大学院
から、スウェーデンのカロリンスカ研究所で客員研究員として学んだ
という、超優秀な方です。カロリンスカ研究所と言えば、
『スマホ脳』の著者であるアンデシュ・ハンセンさんの
勤務先だったところですよね。実際知り合いだったりするのでしょうか。
本の概要としては、
・最近のリモートオンラインでの会議やコミュニケーションを警鐘を鳴らす。
・デジタルデバイスが脳に与えるダメージ
・デジタルデバイスによる教育の是非
等が題材になっています。
どんな人にお勧めの本か
- リモートワークやオンライン会議をよく使う人
- リモートワークをしているが、他人と意思疎通がとれてないなと感じる人
- 子供とデジタルデバイスの関わり方について知りたい人
- なんでもかんでもリモートワークをすればいいと思っている人
こんな人には強くお勧めできます。
最近の流れで「場所にしばられない。距離に縛られない。時間に縛られない」
「素敵な働き方」「オンラインでコミュニケーション」
等と謳っている、特にコミュニケーションに関して得るものが
沢山ありました。
何故この本を選んだのか
- サムの本解説動画チャンネルで見たから
・丁度今オンラインでコミュニケーションをしている場があったから
・オンラインでのコミュニケーションの弊害について理解したかったから。
何かこう、オンラインでのコミュニケーションというのは
違和感が前からありました。
実際に人と会っているわけでもないので
実際対面で会っていたらやらないであろう
「会話中にスマホをチェックする」
「何かほかの事に興味が向いてそっちに気を取られる」
等、気軽してしてましたし、何か気が散る事も多く、
そんな時にこの本に出会い、即ポチしました。
自身の違和感を気持ちよく代弁してくれる内容で
とても面白かった!
印象に残ったエピソード
オンラインコミュニケーションの会話では、彼らが黙ってぼーっとしている時の脳の状態と同じだ。ということができます。
要するにコロナ禍に見舞われて急増し、人々が盛んに利用しているオンラインコミュニケーションは脳にとってはまともなコミュニケーションになっておらず、当然そのような状態は特に何もしていない場合と同じであるということは実験から科学的にはっきり確かめられたのです。
オンライン脳
最初これを読んだとき、ゾッとしました。
対面では、人と人とが会話をして盛り上がったり笑ったりすると、
『脳の同期』が起こります。これがコミュニケーションの定義ですが、
オンラインのコミュニケーションでは、この『脳の同期』が起こらない。。
大学機関で、しかも自身の名前で実験した研究なので、否定のしようが
ないと思います。事実なので驚いたとともに、
「やっぱりなぁ・・・」と思いました。
テレビ放送のデジタル情報は1秒あたり30コマの静止画像からできた電子的なパラパラ漫画のようなものです。 ところが私たちの脳は1/1000秒のごく短い瞬間瞬間で、全ての情報を解析しています。
オンラインコミュニケーションで脳が見ているのは当然リアルなものとは受け取り難いとても奇妙な音声付き動画なのです。
オンライン脳
これも相当ショッキングな内容でした。
確かに、脳の処理速度と、回線の不安定なWifiを利用して映る人の画像処理速度
とでは、比較になりませんよね。
オンラインでのコミュニケーションについて、脳が、「これはリアルコミュニケーションではなく、
単なる映像的な物?」と
受け取っても仕方ないのかもしれません。
スマホを高頻度で使えば3年間で大脳全体の発達がとまってしまう。勉強しようがしまいがまた睡眠を十分とるが取るまいが、学力が上がらなかったのは当然というわけです。
スマホやタブレットなどのデジタル機器に触れている時の脳の反応が薬物依存の患者さんが依存物質に接するときの脳の反応パターンに極めて近いということです。
オンライン脳
これは仙台の子供に、プライバシーに配慮しつつ、普段のスマホ等の
使用時間を調べて、その個体を数年追っていった結果出ていた答えです。
子供の睡眠時間が短すぎる。学校の始業時間が早すぎる
という情報は知ってはいたのですが、そういう問題ではなく、
大脳自体の成長が止まってしまうという事に衝撃を隠せませんでした。
また、薬物中毒と同じと。
確かに、「ドーパミン等の快楽物質を外部からの影響で与えられる」
等の点で、スマホと薬物には共通する面がありますよね。
心に響いた一節
オンラインより対面の方が大きなエネルギーが必要だから大変なのです。多くの人は水は低きに流れるように易きに流れてしまいます。誰もが面倒くさくない方へ、やりやすいほうへ通って楽な方へと行きたがります。
オンラインに頼って使うべきものを使わなければコミュニケーション力をはじめとした人間に必要な能力はどんどん失われていきます。
オンライン脳
コロナ禍で、人と人とが対面でコミュニケーションできる場が減ったが
それを理由に、「あれ?なら今後も会議や飲み会もオンラインでいいやん」
という、「楽な道」に逃げる事への警鐘ですね。
確かに、移動時間は短縮するし、交通費は掛からないし、貸しビルも
小規模で良いかもしれない。でも、一番大事なことを省略するな。
人間、楽な道に逃げるとロクなことがありません。
総括
肝心要の話は必ず対面です。コミュニケーションがベースとなるような仕事は必ず対面でやると私は強く強く意識しています。 人生の岐路となりかねない大きな分かれ道に関する相談事をオンラインで聞くなどということは断じてありません。
オンライン脳
コロナ禍で始まった「テレワーク」「オンライン会議」
「オンライン授業」「オンライン学校」。
でも、人間は今まで、300万年もの間、ずっと
「対面で人と人とがコミュニケーションをする」
これが前提で脳が進化してきました。
テクノロジーの進化に敢えて乗らず、実際のコミュニケーションを
大切にすることの重要性を改めて確認できました。
この本は、こんな自分のような知識のない、勉強する時間のない
メディアに踊らされやすい一般人に向けて、
大学の研究を活かした知識を与えてくれる、
素晴らしい書籍です。
是非読んでもらえたら嬉しいです。
感想もお待ちしてます。
ではまた。
以下の物も名著です。
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