こんにちは。かずまです。
今回は、少し前の著作、
「ヤバい集中力」鈴木 裕著
を読んでの感想と、自身の気付きなどを
まとめて見たいと思います。
この本は、一言で言うと、
「どうすれば誘惑に負けずに
ヤバい集中力を発揮し続けられるか」
について書かれた本です。
題名に「集中力」が入っているあたり、
集中力に関する本なのは自明かと思います。
ただ、それだけには収まらないのが
鈴木さんの著書のクオリティです。
著者の鈴木裕さんは、
サイエンスライターとして
凄まじい量の論文を読み込み、それを
まとめて発表している人。という印象です。
ほとんどの著作を私は読んでいますが、
毎回作りが丁寧で、且つ読者への面倒見も
とても良い印象です。
「面倒見が良い」というのは、
例えば、
「色々と大切なことを言ってきたけど、
簡単に言うとこう。そして、実践するためには
優先順位はこんな感じでやっていくと良いよ」
というところまでしっかりと
毎回サポートしてくれます。
著書の内容も勿論濃いのですが、
読者サポートまでしっかりと考えて
著書を設計していて本当にすごいな。と
毎回感心してしまいます。
勿論今回も内容、読者サポート共に
充実しています。
では、この本はどんな悩みを持つ人に
おすすめできる本なのか。
事項で解説していきます。
この本はこんな人におすすめ
- 誘惑に負けず集中力を維持したい人
- 集中力を上げるスキルが知りたい人
- もっとパフォーマンスを上げたい人
- 人間が集中する仕組みを活かしたい人
何かの作業をしていても、
スマホを見て時間をつぶしてしまった。
どうしても集中力が続かず、諦めてしまった。
どうもやる気が起きず行動できない状態だ。
頑張っても仕事が終わらず毎日お疲れだ。
こんな方に是非読んでほしい内容の書籍でした。
わたしも、作業に疲れるといつの間にか
ネットサーフィンをしてしまい、30分以上
経っていた。なんてことはしょっちゅう。
今更ながら、自分の集中力のなさに辟易としてしまっています。
少しでも書籍の内容を実践して、
自分の集中力を上げていきたいと思ったので、この書籍を手に取りました。
では、この本を読んで得た気付きについて、
自分なりにまとめてみます。
この本での気付き
私がこの本を読んで得た気付きについて
3点解説していきます。
やはりカフェインはすごい

カフェインの効果について、この書籍では
しっかりと書いてありました。
カフェインを摂取することで、
集中力が普段より5%も上がるとのことです。
5%だけ?とおもったのですが、
実際実験では、カフェインを摂取した
チェスプレイヤーは勝率が6~8%も
上がったそうです。
ただ、取り過ぎもよくなくて、
300mgからカフェインの効果が薄くなります。
もちろん、夜の睡眠にとってもカフェインは
確実に悪影響を及ぼします。
起き抜けのカフェイン摂取も、
目覚めのホルモン分泌と干渉してしまうため、
避けたほうが良いです。
カフェインについて気になる方は、
以下の記事も参照してみてください。
上級睡眠健康指導士である私の記事で、
睡眠とカフェインの関係性についての内容が
参考になるかと思います。
できればカフェイン摂取は、午前中までに抑えると、夜の睡眠を阻害しないと思います。
集中力=自己コントロール力

集中力と一言で言うけれど、
実は
「誘惑に負けない力」
「自己効力感」「自己管理能力」
「モチベーション管理能力」
など、多岐にわたる。とありました。
結局は、集中力を司るのは
本書で言うところの
「獣」と「調教師」
所謂本能部分と、理性の部分のバランス。
この2つの能力を上手に使うことが
タスクに取り掛かり、集中して終わらせる事に
直結していく。ということでした。
確かに納得感があります。

ついつい誘惑に負けてしまうのは、「獣」の
部分が暴走してしまうから。
なので、上手に獣を満たして、
大人しくさせて、
あわよくば獣の力、本能の力を
存分に利用していくことが大切!
逆に理性の部分の力は相当弱いので、
意志の力だけではなく、仕組みを作り、
少しでも「獣」の部分の力を弱めていくことで
理性の力を活かしていく。
そういう形で集中力を上げていくことが
大切だ。という内容は腑に落ちました。
意志力は減らない。気分の問題でした。

何かを決定する力、意志力。
Will powerなどとも言いますが、
それは1日の上限が決まっており、
どんどん減っていく。
そんな説を耳にしたことがある人も
居ると思いますが、実はこの「意志力」
出版バイアスがある。とのこと。
事の起こりは2014年のこと。マイアミ大学が過去に出版された「自我消耗」に関する200件近いデータを再分析し、「出版バイアスがある」と結論付けたのがきっかけでした。
出版バイアスは、特定の仮説に都合が良い論文だけが専門誌に掲載されてしまう傾向を表す専門用語です。
結局のところ、意志力、自我消耗には
科学的なエビデンスがないと指摘されました。
結論として、意志力がなくなる場面とは、
気分がネガティブになってしまい、
自分が優先しようとするタスクを
やり切る気分ではなくなったから。
ということのようです。
決して脳の燃料タンクが切れたのが
原因ではない。と本書にはありました。
確かに振り返ってみると、
もう仕事に飽きてしまった時などは、
だるい気分、逃げたい気分になってしまい、
ついついスマホに目を落としてしまう。。。
思い当たります(汗)
ただ、私が感じたのは
「意志力ではなく、単純に頭が疲れて
働かなくなったことが原因」ということも
思い当たるな。と感じます。
そんなときは、チョコなどの
甘いものを食べれば、血糖値が上がり
集中力が上がる。と思い、
甘いもの摂取に走りがち。
とはいえ、本書では、糖分をとっても
意志力に関係がないというのが、
2015年に36件の血糖値と意思決定力に関する
論文を精査したメタ分析の結果、
明らかになっています。
ではどうするか?ということですが、
気分の問題であれば、楽しいことを考えたり、
気分が上がるような音楽を聴いたりすると
意志力が戻って来るのではないか?と
思いました。
あとは、関係ないとは言っても、
甘いものを食べることで気分が上がりますし、
甘いものも気分転換には十分使えると
思うんですよね。
気分と意志力の関係、面白いですね。
実践していくこと
この書籍を読んで私が実践していくことを
上げていこうと思います。
どれも集中力を上げて、タスクを
やりとげるには大事なこと。
それをしっかりとエビデンスベースで
語ってくれる本書は素晴らしいなと思いつつ、
取り組んでいきたいと思います。
「心理対比」でトラブル想定

何かに取り組む前に、完成したら
どうするか?ということをイメージするのですが、
それだけだと、本書で言う獣は、
「もうそのタスクは終わっている」
と思い、やる気を無くしてしまうそうです。
なので、それを防ぐためには
「心理対比」というテクニックが必要。
心理対比とは、
事前にそのタスクを取り掛かるにあたり
障害になりそうなことをイメージしておく
ことで、
獣に「まだ完成していない」ということを
しっかりと伝えるのが良い。とのことなので、
それに取り組んでみようとおもいます。
- こんな邪魔が入るかも。
- 突然電話がかかってくるかも。
- タスクを終えるまでにこんな事故があるかも。
などなど、考えてみるといろいろな可能性が
思い当たります。
準備することって大事。
カフェイン力を有効利用する

カフェインについては結構詳しいつもり
だったのですが、実際ここまで効果があるとは
思いませんでした。
とはいえ、摂り方とタイミングについては
気をつけていかないといけないです。
注意しつつ、カフェインの力を有効に
活用していきたいと思います。
というわけで、スタバに行ってきます!
質問形アクションで自分ごと化
これはとても有効なスキルだ!
そう感じたので、実践していきます。
質問形アクションとは
私は「いつ」「どこで」「タスク」に取り組むか?
という感じで、
タスクの内容を具体的な質問形にしていくこと
です。
これは「問いかけ効果」に基づいています。

勿論、宣言型のアクションである
「私はいつどこでこれをやる」
と発言するのもある程度は効果がありますが、
質問型にすることで、より獣に
自分事として捉えさせることができるように
なるとのことです。
51の先行研究をまとめたメタ分析でも、
宣言文よりも質問文のほうが行動を変える力を
持ち、その作用は半年が過ぎても続く
というような報告がされていることからも
やってみようと思うに値する方法だと感じました。
まずは。。。
「かずまは今日、自室でこのブログを完成させるか?」
頑張ります(笑)
簡単なタスクからこなしていく

朝イチの脳が疲れていないうちに、
一番難しいタスクに取り掛かれ。
様々な本でそんなことが書かれていますが、
実際、これは微妙なようなのです。
というのは、簡単なタスクを先に
終わらせていったほうが、
ドーパミンが出ることで、集中力が上がり、
最終的な成果が上がりやすいようなのです。
本書でも、ハーバード大学ビジネススクールでの実験結果が挙げられていました。
そこでも、
1日の最初に簡単なタスクをこなした
被験者はみんな集中力が上がり、最後には仕事の満足度も改善したということです。
まずは1日の初めに、簡単なタスクをこなし
ドーパミンを適度に出して、難しいタスクへの
ステップとしていきたいと思います。
まとめ

集中力と一言で言っても、
実際は色々な力の掛け合わせ。
そして、誘惑されやすい本能的な「獣」
その力を有効に使って、飼いならして
上手に利用していくことが、
ヤバい集中力を得るための鍵。
他にも様々なテクニックや、
タスクを上手くこなすための
ワークシートなどもあるため、
買って公開しない1冊だと思います。
私も「これで1400円は安すぎる」と
感じます。
買ってよかった!
鈴木さんの著書については
以下の作品も本当におすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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