こころが晴れるノート 大野裕

心理学

こんにちわ。かずまです。

今日は、認知療法の第一人者でもある

大野裕さんの「こころがはれるノート」について

読書感想をしていきたいと思います。

私はカウンセラーになりたいという意志があり、

この本は非常にクライアントを持った場合でも

日々の暮らしに際しても、参考になる一冊だと思います。

本の概要 ざっくりどんな本なの?

この本は、気分が落ち込んだ時や、

不安を感じている時、眠れない時に、

その不安を自己分析して、不安や気分を

向上させるためのワークシート形式の本です。

人に相談するのは恥ずかしい。

カウンセラーに相談するのは仰々しい。

そんな方におすすめの本です。

また、認知療法についてとてもわかり易く

書いてあり、これ一冊で鬱が直せる人も

いるのではないか?と感じさせる本です。

内容自体はとても濃いです。

この本をおすすめする人

この本をおすすめするのはこんな人です

  • 日々不安を感じながら過ごしている人
  • 何故か気分が上がらない日が続いている人
  • 気になることがあり、夜寝付きが悪い人
  • 悩みや不安をなるべく自分で解決したい人
  • 認知療法について学びたい人

学校や社会では、人と人との関わりが年とともに

増えていきます。

現代の日本人で悩みが全くない人は、ほぼ

いないでしょう。

また、日本人は性質上、セロトニントランスポーター

遺伝子がS-S型が多く、ネガティブ思考になりやすい民族でも

あります。

認知療法は、そんな我ら日本人にとって

必要な考え方の柔軟さをもたらすものだと

思います。

気付き

ストレスチェックの5項目

ストレスが溜まっているのか

判断するための指標がありました。

ストレスチェック項目
この5項目のうち2つ以上が2週間続いていると、ストレスが溜まり鬱傾向の可能性がある。
  • 毎日の生活で充実感が感じられない。
  • これまで楽しんでやれていたことが楽しめない
  • 以前は楽にできていたことが、今では億劫に感じる
  • 自分は役に立つ人間がと考えられない
  • わけもなく疲れたような感じがする

自身もすこしうつっぽくなったことがあって

そんな時はこのうちの3~4項目

あてはまっていました。

興味のあるギターもほとんど弾かず

ネットゲームをずっとしていたこともあります。

その時がこんな感じでしたね。

一つの指標になるかと思います。

自動思考

自動思考とは何か

自動思考とは、なにかが起こった時に

瞬間的に考えてしまうものです。

例えば、上司に大きな声で呼ばれた時に

「叱られる」と思うのか

「褒められる」と思うのか。

もしその時に、自分の状態がポジティブなら

肯定的に、ネガティブなら否定的に受け取って

しまいます。

私達は、自分の作り出した世界に生きて、

そこで一喜一憂しているのです。

私達の気分や行動は自動思考によって左右されています。つらくなっているとき、わたしたちは物事を現実以上に悲観的に考えています。不安になっているとき、わたしたちは危険に対して過度に敏感になっています。

こころが晴れるノート 大野裕

確かに、そういう面はありますよね。

実際問題、ネガティブに考えてしまうことが多い

気がします。

そのような自動思考を認識して、言語化して

それを修正する、もしくは柔軟な考え方にすることが

必要になってきます。

スキーマ

スキーマとはなんぞや?

スキーマとは、自動思考を生み出す

考え方の「癖」のようなものです。

例えば「なんでも完璧にしなくてはいけない」

「誰からも嫌われないようにしなくてはいけない」

わかりやすく言うと、思い込みですよね。

そんなに完璧じゃなくてもいいのに。

嫌われてもそんなに害はないのに。

このスキーマが、ネガティブな自動思考を

生み出す元凶ですね。

これを変えていくには、考え方を

変えていく他に無いような気がします。

そう簡単に変えられないとは思いますが

この本のワークをすることで、徐々に変えていければ

人生が、より生きやすくなると思います。

実践すること

私もこのワークを実践してみました。

自身が職人として今の会社に入って

1年半立った頃、あまり仕事ができなかったので

周りの職人から置いてけぼりをくって

悲しい思いをしていた職人時代の悩みです。

当時は本当にむなしくて、転職しようかと

本気で考えていました。

思えばあの時に転職しておけば

良かったのだと思いますが(笑)

自分の若い頃の経験をワークしてみた

状況

  • 24歳当時、現場に入り立てて使えなかった為、
    同じ職場の職人にはぶられて、置いていかれることもあった
  • 自分の立ち位置や、存在価値が認められなくて悩んでいた。

その時の気分

  • 虚しさ 70%
  • 自己否定感 65%
  • 悲しさ 70%
  • 怒り  40%

自動思考

  • なぜ自分を置いていくんだ。そんなに邪魔なのか?
  • 一生懸命毎朝起きて来ているのに、どうしてむなしい?
  • 自分は必要とされていない人間なんだ

根拠

  • 仕事ができないので置いていかれる
  • 毎日出社しているのに、必要とされていない
  • 誰でも出来る雑用や小間使いをさせられる

反証

  • 確かに邪魔なときもあるのかもしれないが、毎回
    置いていかれるわけもない。
  • 一生懸命頑張ろうと意気込む必要はそもそもないのでは?
    また、求められていないのかもしれない。
  • 本当に必要とされていないのなら、そもそも雇われない。

適応的思考

  • 仕事内容によっては。初心者では邪魔なこともあるのかもしれない
  • そんなに意気込まなくても、やっていくうちに
    徐々にスキルも身につく。
  • 必要ないなら雇われない。今の雑用も役に立てているはず。

心の変化

  • 虚しさ 30%
  • 自己否定感 40%
  • 悲しさ 20%
  • 怒り  20%

こんな感じのワークを自分でできます。

本当に言語化して、文字で客観的に考えると

驚くほど考えがまとまっていくのを

感じます。

魔法のようでした。

適応的思考に導くには

私はカウンセラーになって

心の不調で悩む人の悩みを解きほぐし

少しでも楽になり、人生を朗らかに

生きて欲しいという思いがあります。

この認知療法は、薬物療法と同じくらい

効果が高く、導入していきたい治療法です。

本書では、適応的思考に向かうには

どのようにすればいいかの事についても

書かれています。

適応的思考にたどりつくためには
  • 親しい人が同じ状況で、あなたは何と声をかけますか?
  • その考え方が当たっているとして、この先最悪のシナリオは?
  • 最良のシナリオは?
  • 一番現実的なシナリオはどんなものでしょうか?
  • 貴方の信頼している人は、この状況でどんな判断をしますか?

他者になったつもりで、自分の状況を俯瞰して

見られるようになれば、

自分の考え方の矛盾点について、

突っ込めるようになりますよね。

とても良い手法だと思いました。

まとめ

認知療法は、考え方、捉え方を

柔軟に変えることを目的にします。

マイナス思考をプラス思考に変えるのが目的では

ない。と本書では述べています。

また、考え方の癖は、長年慣れ親しんできたもので

一朝一夕では変えられない。

なので、繰り返し取り組む必要があるとのことです。

誰にでもある「スキーマ」

最高でなければならない。

完璧でなければならない。

嫌われてはいけない。

そんな「スキーマ」を解きほぐし、

柔軟な考え方に変えることができれば、

鬱にもなりにくく、生きやすくなりますよね。

良書でもあり、また、実用的な一冊でした。

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